35.親ガチャ 毒親 母原病
今は昔の1980年代あたり、「母原病」なる言葉が現れ、心をざわつかせて本を読みました。読んで字のごとく母親が原因で子供が様々な病気、主に精神科疾患を患うというショッキングな内容です。大学の臨床心理学の講義でも「統合失調症の子の親」みたいな講義を聞き、とても怖い思いをしました。○○○のような態度(多分ダブルスタンダードだったと記憶しています)で子供に接しているとやがて子供は精神を病んでしまうという内容でした。確かにリストカットを繰り返している同級生などの話を聞くと、壮絶な母娘関係があったりして、母親になるのを怖く感じました。
子供にとって、こどもが最初に築く人間関係はたいていの場合、母親との人間関係だし、母親からしても子供との関係は特別なもののように思います。
昨今では、毒親というこれもまた非常にセンセーショナルな言葉すら出現しています。親ガチャなんて意味不明ですよ。
でも、このような考え方をどんどんどんどん突き詰めていくと、「自分が悪いのは、苦しんでいるのは、みんな親(特に母親)のせい(だから自分はかわいそうな被害者)だ」なんて甘えた姿勢もチラホラ見えてしまうのは、私が昭和の女だからでしょうか?
星飛雄馬(を知る人は昭和の人間ですが)ですら、あんなに理不尽でめちゃくちゃな思想のオヤジに育てられながら、心優しい、立派な青年に成長したではないですか!いや、一見めちゃくちゃなオヤジだったけど、武士で心篤く立派な人物なんだよという伏線を読者に示してくれていましたが、当時の私は子供だったのでそこまで分かっていませんでした。
話を聞いてびっくりするようなDQNな母ちゃんは確かに存在します。残念ながら知能は親の遺伝とも言いますし、自分のいろんな要素は良くも悪くも親譲りなのは事実です。しかしなあ・・・すべては程度の問題なのでしょう。また受け手の個性や能力にもよりますよ。
親がAだから、必ず子はA‘になると決まっているわけでもない。
なので「親はかくあるべき」とか「親は○○すべきでない」とか、「~~べき」というのは、私の苦手な思考です。親だって人間ですので、100%完全に立派な神様みたいになれません。それでいいと思います。
愛情をもって、子育てを楽しんでください。