なんと原稿でA4用紙12枚も書いてしまったメルマガに、載せきれなかったお話しその①です。
老いの徴候で最初の話題に選んだのは「目」でした。老眼、もちろんあります。しかし私のお悩みは「加齢黄斑変性」になってしまったことです。名前からして、ひどくないですか?わざわざ「加齢」なんてつける必要ある?まあ、なってしまったことは仕方がない。後は粛々と治療して経過観察して悪化を防ぐのみです。昔、学生の時「加齢黄斑変性」は治療法がなく、罹患すると失明までまっしぐら、後は失明するのを座して待つみたいな絶望的な病気でした。なので自分で黄斑症かもしれないと疑ったときには、半分絶望しながら眼科の門を叩きました。
きっかけは鍼灸の専門学校に通っていた時に「アムスラー検査」の項目の時に自分でやってみたら、なんと「あ~~~ら、不思議!」左目で見た時に左の上の角が歪んで見えたのです。ドキドキしながら、近くにある総合病院の眼科を受診したのですが、めちゃくちゃご高齢の経験豊富な眼科の先生は「眼底検査の(出血などの)異常ないし、視力も出ているから、3か月後にもう一度来てください」とのお達しでした。それでも、どうしても納得がいかなかったので、今度はネットで黄斑症に強い眼科医を探して受診しました。その医院では眼底のCT画像がとれる機器があったのね。光干渉断層計(optical coherence tomography : OCT)というすごい機械がありました。こんなんできるなんで知らんかった。医学の進歩はすごいもんだ。で、診断結果は、網膜の隙間が空いて浮いている部分があって、立派な黄斑症と言われました。絶望! しかし医学の進歩は私を救ってくれました。
脈絡膜新生血管の発生には血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)が関係していると考えられています。私の受けた治療は、VEGFを阻害することにより脈絡膜新生血管を退縮させる治療法です。VEGF阻害薬を眼球に注射するのです。すごくない? 表面麻酔薬の点眼薬をさして、瞼を固定して、チクッと一瞬注射して、治療は終わりました。この注射を月に1回、3回続けて行い、そのあと3か月後にもう一度受けました。幸い、この注射薬がよく効いて、網膜の浮いたところはちゃんと元通りになりました。視野のゆがみは少し残ってはいるものの、とりあえずその後再発はありません。とはいえ、怖がりな私は今も2か月に一度、眼科を受診して画像診断を受けています。
皆さんも、ご自分の健康は先ず自分で守りましょう。少しでもおかしいことがあったら迷わず専門医を受診しましょう。
今回はアムスラー検査の図を下に貼っておきますね。