11.鍼灸にできること ④免疫細胞の増加・活性化
以下の記事は、鍼灸の教科書(「はりきゅう理論」東洋療法学校協会)からの引用を含みます。
鍼灸にできることの4つ目は、免疫細胞の増加と活性化です。
鍼灸による反応として、神経、内分泌、免疫系の応答により末梢の反応が起こることがあります。また血液中の生体防御機構として働く主要システムである補体系、肥満細胞、プロスタグランジンの関与、サイトカインのうちIL6によるB細胞やT細胞の分化や、リンパ球に対するβエンドルフィンの関与、NK細胞活性等については多角的な検討があります。鍼刺激により血中へのT細胞やNK細胞の移行が促進することが動物実験で確かめられています。
自律神経を介してリンパ組織の微小循環を調整するだけでなく、神経線維の一部はリンパ球の多い実質に延び、Tリンパ球、Bリンパ球の表面にあるα、βレセプターを介して直接作用しているため、免疫系は自律神経によって修飾されています。これらのことは、鍼刺激におる免疫系への作用は自律神経を介した作用である可能性が示唆されています。
つまりは鍼灸を行うことで、病気になりにくい身体の状態になるということです。「身体が丈夫になる」というのは言い過ぎ?過大広告かもしれません。しかしながら、高齢になり、慢性疾患で体力が弱っているときに、鍼灸をするとしないとでは、体調の変化に違いがあると思います。鍼灸の施術を受けて自律神経を整え、体調を整えることによって、免疫機能を維持できれば、より病気になりにくい健康な状態を保持することができると考えます。