15.データからみる健康で長生きする秘訣
2022年の日本の平均寿命ランキングでは、男性では1位滋賀県(82.73歳)、2位長野県(82.68歳)、3位奈良県(82.40歳)、4位京都府(82.24歳)、女性では岡山県(88.29歳)、2位滋賀県(88.26歳)、3位京都府(88.25歳)、4位長野県(88.23歳)となっています。
滋賀県のホームページ「長寿要因の分析結果について」から引用します(令和4年12月23日更新)。 まず生活環境では、失業者が少ない(2位)、労働時間が短い(9位)、県民所得が高い(4位)、ジニ係数(所得格差)が小さい(2位)、図書館が多い(14位)、高齢単身者が少ない(1位)ことがあげられています。そのため生活習慣としては煙草を吸う人が少なく(男性1位)、多量飲酒(飲酒日に1日2合以上の飲酒量)をする人が少なく(男性4位、女性13位)、スポーツする人が多い(男性2位、女性6位)、学習・自己啓発をする人が多い(男性5位、女性6位)、最後にボランティアする人が多い(男性2位、女性4位)となっています。これらのことから平均寿命では、男性が1位、女性が4位、健康寿命では男性2位、女性3位となっています。これらのことは、生活習慣と生活環境の関連の深さや、生活習慣と平均寿命・健康寿命との関連の深さを示唆するものです。生活しやすい良い生活環境の中で、健康に良い生活習慣に従った生活を送ると、健康で長生きができるということでしょうか。言い換えると、無理のない程度で仕事があって、それなりの収入があって、家族がいると、健康に配慮した健康的な生活習慣が身につき、結果として健康に長生きできるということを示しています。
生活習慣と寿命に関しては、今から40年以上も前にアメリカのブレスローが行った「7つの健康習慣」の研究が有名です。この結果は、公衆衛生学の教科書には必ず載っていて医学生や看護学生などにはおなじみのものです。また現在、厚労省が進めている「健康日本21」の政策の基礎となっているものです。最後にこのブレスローの7つの健康習慣について紹介しますね。
- 喫煙をしない
- 定期的に運動をする
- 飲酒は適量を守るか、しない
- 1日7-8時間の睡眠を
- 適正体重を維持する
- 朝食を食べる
- 間食をしない
これらの病気にならないための生活、健康を維持するための生活を過ごしたいものです。またこのブレスローの7つの健康習慣については別の項で詳しくお話しします。
参考資料
滋賀県ホームページ、県の平均寿命・健康寿命について:tyoujyunohimitu (shiga.lg.jp)
ブレスローの7つの健康習慣を実践してみませんか? | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)
令和4年(2022) 人口動態統計月報年計(概数)の概況 gaikyouR4.pdf (mhlw.go.jp)