18.ブレスローの7つの健康習慣 3)お酒は適度に
飲酒は宗教的に全く禁止されている国もありますね。お酒を道徳的・宗教的に排除しているということでしょうか。一方、飲酒の許されるお国では、飲酒習慣のある人の方が友人も多く、ストレスが少ないというデータもありました。ブレスローが論文を書いたころは、「適正飲酒」がよいとされていました。1日に2合程度までの飲酒は身体に良い、と言われていました。しかしながら、お酒は飲まない方が身体のためには良いというのが、現在では主流となっています。でも「酒は百薬の長」というではないか、とか、ワインは身体に良いというではないか、という反論が聞こえてきそうです。アルコールを分解するのに、肝臓や腎臓といった身体のさまざまな臓器に負荷がかかります。アルコールは酩酊を起こし、神経系にも影響を及ぼします。ガンの発生リスクを上げます。2018年にランセットに発表された論文によると、「適度な飲酒は心臓をごくわずかに保護するかもしれないが、この利益を相殺する」ということです。すなわち「健康に良いアルコール摂取量はない」とされています。この論文によると、「(調査した)2016年には、全世界の男性の39%、女性の25%が日常的に飲酒しており、アルコールが280万人に死をもたらしている、アルコールは早死にの第7番目の原因となっており、全男性の死の6.8%、全女性の死の2.2%はアルコールによる」そうです。 それでもお酒を飲みますか?お酒が飲めないで5年くらい寿命が延びるよりも、お酒を毎日楽しく飲みたいという方は、どうぞ。お酒は文化です。酒宴は楽しい、他人に迷惑をかけず、人生を楽しみたいという方は、この際、長生きすることよりも人生の充実を得るために、覚悟を決めてお酒を楽しんでください。私も楽しみたいと思います。
GBD 2016 Alcohol Collaborators, Alcohol use and burden for 195 countries and territories, 1990–2016: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2016. Lancet, 2018 Sep 22; 392(10152) P1015–1035, September 22, 2018. PMID: 30146330