20.ブレスローの7つの健康習慣 5)適正体重を維持しましょう
早速ですが、BMI(Body Mass Index:体格指数)について述べます。BMIは成人の国際的な標準指標として用いられています。BMIは体重(Kg)を身長(m)の2乗で割った数字です。
BMIの求め方 BMI=体重(㎏)÷身長(m)の2乗 |
肥満度の判定基準(日本肥満学会)
BMI | 肥満度の判定 |
18.5未満 | 低体重 |
18.5~25未満 | 普通体重 |
25~30未満 | 肥満(1度) |
30~34未満 | 肥満(2度) |
35~40未満 | 肥満(3度) |
健康長寿のために適正な体重を維持しましょう、といわれています。適正体重とは、BMIで18.5以上25未満をいいます。例えば身長160㎝の方なら、47.4Kg以上64Kg未満となります。BMI22くらいが最も理想的と言われていました。国立がん研究センターのデータからみると、実は死亡リスクという観点からみると、BMI27まではOKなのです。つまりBMIの最適値21も27も死亡リスクという観点からみると、そんなに変わりません。むしろ男性ではBMI25~27くらいの方が最も死亡リスクが低くなっています。BMI27は身長160㎝の方なら69.1Kgですので、実際にはかなり恰幅がよいように感じるかもしれません。日本では、やはりBMIは25未満に抑えましょうとなっています。ちなみに普通体重がBMI25未満というのは日本の基準で、海外ではBMI30までを標準としています。日本の場合、死亡リスクという点では30まではそんなに変わりませんが、糖尿病や動脈硬化などの罹患率でみると、BMI25を超えると高くなるために適正体重の上限をBMI25としているからです。
そして死亡リスクでいうと、最も危険なのは肥満の方よりも痩せの方となっています。極端な痩せは、若い方なら摂食障害をまず思い浮かべる方が多いでしょう。摂食障害は死亡率の高い病気です。また何らかの疾病に罹患したために(健康を害したために)痩せておられる場合もあるでしょう。高齢の方なら、食べても吸収力が下がって痩せてくるということもあります。ちょっとポチャとした方の方が元気で長生きというのは現場の感覚で、よく理解できると思います。
若い女性の極端な痩せ願望はそういう意味でも危険です。身体を作っておかねばならない10代、20代に必要な栄養を摂らないことで妊娠しにくい身体になってしまったり、また骨がカスカスになって30代で早くも骨粗鬆症となってしまうことがあります。元気で健康なぽっちゃりさんが無理なダイエットをするのは、賛成できません。
参考資料
国立研究開発法人国立がん研究センター がん対策研究所予防関連プロジェクト 肥満指数と死亡リスク:肥満指数(BMI)と死亡リスク | 現在までの成果 | 科学的根拠に基づくがんリスク評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究 | 国立がん研究センター がん対策研究所 (ncc.go.jp)