23.日本人の死亡原因;生活習慣病の話
食事や飲酒、喫煙、ストレスなどの生活習慣が深く関与する疾患を「生活習慣病」といいます。脳卒中、心血管疾患、癌などをさします。少し前までの日本人の三大死亡原因ですね。現在は脳出血の代わりに老衰がランクインしています。1996年からこの名称を用いています。それ以前は「成人病」といわれました。「成人病」というと、加齢という現象はやむを得ないものであり、一定の年齢になると誰しも「高血圧」「耐糖能異常」などの疾患のリスクを抱えるために【健康診断を受けましょう】という2次予防(早期発見・早期治療)の推進という意味もありました。しかし成人病の発症には生活習慣が深く関与していることから、これらの疾患にならないために生活習慣そのものを見直し、【疾患にならないようにしましょう】という一次予防(健康増進)の方に、政策の軸足が移ったこともあります。
私個人的には、この「生活習慣病」という名称も、少々扱いにくいと思っています。
「生活習慣病」というと、まるで「その疾患に罹患した人の生活習慣が悪かったから病気になったのだ」というニュアンスを含んでいるような気がしてしまうのです。「煙草を吸っていたから癌になったんだ」、「太っていたから糖尿病になったんだ」、「運動したら健康を維持できる」などです。煙草を吸わなくて癌になるときはなります。1本もすったこともなくても癌になる人も多くいます。太っていても糖尿病には無縁の人もたくさんいます。運動しているから健康なのか?健康で元気だから運動ができるだけではないか?相関関係はあっても因果関係は逆ですよね。
「生活習慣病」という表現には、病気になった人に対して、自己責任のような負のメッセージを送って糾弾しているような気がします。病気になることが、その人のせい、病気になった人が悪いのだというメッセージを含んでいるように感じるのです。
しかし、どんなに清く正しく100%身体によいことだけをして、食事の添加物や栄養素や遺伝子やらすべてに気を配っていても、病気になるときにはなります。人間は永遠に生きられないのですから、いつかは死にます。少しくらいお酒を飲みすぎても、夜更かししても、ハンバーグを食べても、お菓子を食べてもいいじゃあないですか?って個人的には思うので、自分には甘い甘い生活をしています。