31.心配と不安の違い
心配と不安の違いってわかりますか? 英語ではどちらもanxiety です。心配はその他にworry, concern, gear, apprehension, solicitude, uneasiness, disquiet, misgivingなどの英単語があり、不安にはinsecurity, uneasiness, suspense, qualmなどの英単語があります。英単語をみると、心配とはなんとなく気がかかりで、気になることのようで、不安とはちょっと怖いようなもののような感じがしますね。心配とは何か対象がはっきりしていて、具体的にどのようになることを予見しているのかある程度分かっている感じ。心配は、字のごとく「心を配る」ことでもあります。それに対して不安とは、何か正体のわからないもの、対象のわからないものに対する恐怖とか予感のようなものでしょうか。不安は、字のごとく「安心でない」ことです。そして臨床的に問題となるのは、この患者さんが持つ言葉にできない不安感というものです。
心理学の質問票には、たくさんの不安尺度があります。MAS(Manifest Anxiety Scale: 顕在性不安尺度)、STAI(State-Trait Anxiety Inventory: 状態―特性不安検査)、CMI(Cornell Medical Index:コールネル健康調査票)などは有名なので、医療系の学生さんでも卒論などで扱ったことはあると思います。
何とも言えない、漠然とした不安を多くの人が感じたことがあるでしょう。人生、一瞬先は闇ですので、この先何が起こるか不安でたまらない時があります。
自分ではどうにもできなくて、お医者さんで相談すると「抗不安薬」なるものを処方してもらえます。飲んだことはないのですが、安定剤といわれるもののようです。イライラ感を沈め、眠る前に飲むと眠りやすくなるようです。
実は鍼灸を受けると眠りやすくなります。これは自律神経が安定するからで、施術を受けた後やその日の夜は「ぐっすり眠られた」という方が多いです。お医者さんに相談するほどではないけれど、なんとなくザワザワして、不安で夜も眠れない方がおられたら、試しに鍼灸の施術を受けられてはいかがでしょうか。