37.少子化の時代に思うこと:乳児死亡率
女性が出産する子供の数が減っていることもあって、妊娠、出産、育児にかける思い入れは増大していると思います。妊娠、出産の場面では、人生の中で1~2度の出産というイベントを飾るために、豪華な個室の産院、豪華なディナーがついており、美容院が併設されていたり、患者「様」で、お客様、女王様気分を満たしてくれます。日本は世界一、乳児死亡率の低い国です。乳児死亡率とは「生まれた赤ちゃん1000人中、生後1年以内に死亡する赤ちゃんの数」を言います。2021年は1.7です(対1000人)。昭和14年まで(つまりは戦前)は100以上ありました。すなわち生まれた赤ちゃんの10人に1人が1年以内に死亡していたのです。昔は子供は感染症や出産時の障害などで亡くなることが多く、大人になるまで元気に育つ子供は少なかったのです。七五三は「7歳までは神様の預かりもの」という子供の成長を喜ぶ行事だったのです。なので、たくさん産まないと、子孫が残せなかったのです。現代では、そのような心配が少なくなり、たくさんの子供産むよりも、少なく産んで、大切に育てる時代になりました。その方が母体の負担も少ないし、お金も時間も手間もかかりません。
じゃあ、たくさん産まないからお母さんが楽になったかというと、そうでもないと感じます。「大切に」育てるために、産んだ瞬間から、保育園の心配をして、スイミングスクール、英語教室、体操教室、お勉強の塾、バレエ、ピアノ、そろばんなどなどの各種塾に通わせて、幼稚園受験、小学校受験、中学校受験そして大学進学と、どれだけ親はお金をかけて気配りをして情報を集めなくてはならないことでしょう。
子育て中のお母さん、1ヶ月に1時間だけでもいいので、自分のために時間を使って、鍼灸で心と身体を癒してみませんか。
参考:人口動態統計。厚労省HPより
人口動態100年の年次推移