心と身体の養生ブログ~49.雲外蒼天 うんがいそうてん

49.雲外蒼天 うんがいそうてん

 「雨雲の上には青空が広がっている。今、苦労をしていても雨雲が晴れるとよいことが起こる。どんな試練でも、努力して乗り越えれば快い青空が望める」という意味です。

 この四文字熟語が、経済人や政治家、アスリートに人気なんだそうです。この言葉が流行るということは、今この時点でも、たくさんの人が歯を食いしばって、雨雲の下で頑張っているということの証でしょう。

 「この人はなんでも恵まれていて幸せそうで羨ましい」と思って見ていた人でも、お話ししてみると、とても大きなものを背負って、辛い思いを抱えておられると知って驚くことがあります。人は多かれ少なかれ多くの荷を背負い、歯を食いしばり生きているのでしょう。雲外蒼天を信じて、今を耐えているのでしょう。

 私の苦労なんて、苦労というとお叱りをうけることでしょう。

 私は自分の力不足、力量不足に悩みます。うまくいかない自分を呪ってしまいます。上手にやっている人たちがたくさんいるのに、どうして自分は上手に生きられないのかなと考えて動けなくなる時があります。

 自分に自信がない時に、とにかく動いてみましょう。先のわからないこと、初めてのことに挑戦しましょう。失敗しても、初めてのことに挑戦できる幸せに感謝しましょう。決められた道を行くのも良いですが、自分の道を切り開くのも楽しいです。先に何があるかわからないのはワクワクできます。

 私は鍼灸の奥深さや可能性に魅了されて、大学教授を辞めて鍼灸師になりました。初めてのことに苦労をしています。いいえ、初めてのことにワクワクしています。あのまま大学教授をしていたら、こんなワクワクはなかったと思います。鍼灸師としてはまだまだ未熟ですが、成長できる可能性があるのは楽しいことです。治療院の経営能力も必須です。夢をあきらめなくてはならないという恐怖があります。尊敬する先輩方や心通わす友人、何よりも患者さんが支えてくれています。

 私は今、すでに蒼天の下にいるのかもしれないと気付くのです。自分をあきらめないことです。自分の人生と時間を大切に生きることが大切なのだと思います。