2023年11月 風邪の予防~大椎と風門
暑さ寒さも彼岸まで、と言われるように、ここ数日で一気に秋めいてきました。皆様、お元気でお過ごしですか? この通信は三陽院がご縁をいただいた方々にお送りしています。
さて初回の話題は、冬に向かうにあたり「感冒」に関することです。コロナのワクチンは何回受けられましたか?コロナワクチンに関しては、私は勉強不足で人様に自説を述べるだけの知見を持っていません。積極的に他人に勧めることもしないかわりに、接種を希望する方の否定もしません。私は4回接種したところでやめています。インフルエンザに関しては、特に高齢の方には接種をお勧めしています。コロナもインフルエンザも、感染すると相当シンドイです。発熱、関節痛、筋肉痛、咽頭痛、咳などいろいろな風邪症状が強めに出現します。いつもの感冒というのとは、次元の異なるしんどさです。では、東洋医学からみた「風邪」についてお話しします。
「かぜ」は「風邪」と変換されますね。「風邪」は東洋医学では「ふうじゃ」と読みます。東洋医学では、外部から人に病気をもたらす6つの「邪」というものがあります。「暑邪」、「火邪」、「燥邪」、「寒邪」、「湿邪」、「風邪」の6つです。「風邪」は「百病の長」ともいわれます。この意味は、寒・湿・燥・熱などの邪は、風邪と合併して人体を犯すことが多く、疾病の先導者であることを意味しています。「風」の「邪」は、身体のツボである「風門」からヒトの身体に侵入すると考えられています。この風門や大椎というツボのあたりをカイロやマフラーなどで温めると風邪の予防になりますよ。
大椎は首を前に曲げた時に首の付け根あたりで一番出っ張った骨(第7頸椎と言います)のすぐ下のあたりにあります。風門はそこから胸椎の出っ張りを2個ほど下に降りたところ(第2胸椎と言います)の横に3㎝くらい、指2本分の幅くらいの場所で、肩甲骨の間にあります。このあたりを温めておくと、風の邪が身体に入ってこないといわれています。是非、この冬は試してみてください。
とはいえ、いつも着物を着ている芸舞妓さんには、えり抜きをして着ておられるので、なかなか難しいですが、ショールを忘れずにかけて冷やさないようにしてくださいね。
その他、咳や鼻水、倦怠感などにも効くツボがあります。しかしまあ、熱がひどい時は、お水を飲んで、ゆっくりと休んで寝てください。それが一番だと思います。 風邪に負けないように体調を整えるなら、鍼灸がお勧めですよ。貴方のご来院をお待ちしています。