10.咳嗽
咳嗽(せき)は「気道内分泌物や気道に侵入した異物の排除を目的とした生理的防御反応」です。原因は呼吸器感染症、肺がん、気管支拡張症、結核、気管支拡張症、気胸、胸膜炎、肺気腫、心臓疾患など様々なものがあります。鍼灸の対応はこの中で呼吸器感染症による風邪症候群となります。鍼灸では東洋医学的証立て(肺腎陰虚や肝火上炎というもの)を行い、患者さんの体質に従った施術を行います。
【対象となる疾患】
- かぜ症候群による咳嗽
【西洋医学からみた取穴(鍼灸師向け)】
かぜ症候群による咳嗽:
気道の炎症が軽いものや、治りきらずに慢性化したものを対象とする。気道の過敏性の軽減、気道炎症の軽減を目的とする。
:天突、大杼、尺沢
【東洋医学からみた解説(鍼灸師向け)】
外感性の咳嗽:
①風寒(実証:散風去邪)
②風熱(実証:散風去邪)
内傷性の咳嗽:
①痰湿(実証:健脾化痰)
②肝火(実証:清瀉肝火)
:肺兪、魚際、尺沢、行間、陽陵泉
③肺腎陰虚(虚証:益陰清熱)