対象とする症状と疾患

16.月経異常

月経異常には①無月経、②月経周期の異常、③月経の持続日数や量の異常、④初経に関する異常、⑤閉経に関する異常、⑥月経随伴症状の異常があります。月経に伴う下腹部の不快感や下腹部痛、腰痛がひどい場合を月経困難症といいます。器質的疾患を認めない原発性月経困難症を対象とします。

【対象となる疾患】

  • 原発性月経困難症
  • 稀発月経
  • 続発性無月経

【西洋医学からみた取穴(鍼灸師向け)】

原発性月経困難症(月経前緊張症、月経困難症):
自律神経系、内分泌系の調整
*腹部:関元
*腰部:腎兪、次髎
*下肢:三陰交

【東洋医学からみた解説(鍼灸師向け)】

<経早(+月経過多)>の原因:
①実熱(実証:清熱調経
②鬱熱(実証:疎肝清熱
関元、行間、血海、地機
③虚熱(虚証:滋陰清熱
④気虚(虚証:健脾益気
関元、気海、血海、足三里、脾兪

<経遅(+過少月経)>の原因:
①寒邪(実証:温経散寒
気海、気穴、三陰交、帰来、天枢
②肝鬱(実証:疎肝解鬱
③虚寒(虚証:温補腎陽
④血虚(虚証:養血調経):
病後、出血、脾胃虚弱
気海、気穴、三陰交、脾兪、膈兪

<経乱>の原因:
①肝鬱 (実証:疎肝解鬱
肝兪、期門、太衝、中極、三陰交
②腎虚 (虚証:補腎養血
関元、三陰交、腎兪、太谿、水泉