17.排尿障害
排尿の障害には、回数の異常、排尿困難、尿失禁などがあります。前立腺癌、急性前立腺炎、尿道炎、腎盂腎炎などは対象から除きます。鍼灸の対象となるのは、慢性前立腺炎、神経因性膀胱(過活動膀胱)です。頻尿の原因は多様で、加齢によるもの、ストレスによるもの、脳出血やパーキンソン病などによる脳の神経障害、脊髄の疾患、脳から膀胱へ至る神経経路の障害によるものなど多岐にわたります。
【対象となる疾患】
- 慢性前立腺炎
- 神経因性膀胱(過活動膀胱)
【西洋医学からみた取穴(鍼灸師向け)】
慢性前立腺炎、神経因性膀胱(過活動膀胱)
*下腹部:中極、横骨
*腰仙部:腎兪、次髎
【東洋医学からみた解説(鍼灸師向け)】
癃閉(病位は膀胱にあり)の原因:
①肺熱(実証:清肺降気)
②膀胱湿熱(実証:清熱利湿)
:陰陵泉、三陰交、膀胱兪、中極、次髎
③脾気虚(虚証:補益脾気)
④腎陽虚(温補腎陽)
:陰谷、腎兪、三焦兪、気海、委陽