対象とする症状と疾患

25.運動麻痺

運動麻痺には、神経ー筋接合部の障害、筋自体の障害というものの他に主には中枢神経麻痺と抹消神経麻痺があります。いずれにしても原因となる疾患の診断や治療に関しては医療機関の受診が重要です。診断名が明らかになったら、その症状の回復や改善のために鍼灸は有効とされています。適応となるのは、脳血管障害の後遺症、抹消神経麻痺です。抹消神経麻痺には、その神経によって橈骨神経麻痺、正中神経麻痺、尺骨神経麻痺、総腓骨神経麻痺、脛骨神経麻痺があります。

【対象となる疾患】

  • 脳血管障害の後遺症
  • 末梢神経麻痺:
    橈骨神経麻痺、正中神経麻痺、尺骨神経麻痺、総腓骨神経麻痺、脛骨神経麻痺

【西洋医学からみた取穴(鍼灸師向け)】

脳血管障害の後遺症
天柱、曲池、合谷、伏兔、足三里
末梢神経麻痺:
①橈骨神経麻
曲池、手三里、合谷
②正中神経麻痺
郄門、内関
③尺骨神経麻痺
小海、支正、神門
④総腓骨神経麻痺
陽陵泉、懸鐘
⑤脛骨神経麻痺
承筋、承山

【東洋医学からみた解説(鍼灸師向け)】

運動麻痺(四肢不用、四肢不挙、萎躄(イヘキ))の原因:
①肺熱(実証:清熱潤燥
:下記
②湿熱(実証:清熱利湿
:下記+陰陵泉、内庭
③脾胃虚弱(虚証:健脾益気
:下記+脾兪、胃兪、太白
④肝腎両虚(虚証:補益肝腎
:下記+肝兪、腎兪、懸鐘、陽陵泉

下記:肩ぐう、曲池、手三里、外関、合谷、環跳、伏兔、梁丘、足三里、解谿