27.低血圧症
発熱や貧血などの重篤な基礎疾患を疑う症状がない場合、ほとんどの低血圧は本態性低血圧症といわれるものです。体質的なものなので、特に病的な意義は少ないと考えられていますが、低血圧を持つ方には多彩な不定愁訴を持つ方が多いため、それぞれの愁訴に合わせた取穴とともに東洋医学的には気虚や気陰両虚に対する取穴を行います。
【対象となる疾患】
- 本態性低血圧
【西洋医学からみた取穴(鍼灸師向け)】
本態性低血圧の原因は不明である。体質的なもので病的な意義は少ないが、倦怠感、肩こり、頭重感、耳鳴り、立ち眩み、胃部不快感、食欲不振、便秘など多彩な症状を訴えることが多い。
:顖会、完骨、中脘、身柱、脾兪
【東洋医学からみた解説(鍼灸師向け)】
本証は気虚体質や飲食不節や労倦と関係があり、「眩暈」「虚労」「暈厥(ウンケツ)」がある。原因は気虚と気陰両虚で虚証のみ。
①気虚(虚証:温陽益気)
:百会、脾兪、腎兪、関元、足三里
②気陰両虚(虚証:益気養陰)
:脾兪、腎兪、足三里、太谿、三陰交