対象とする症状と疾患

2.顔面痛

顔の痛みは、顔面の知覚を支配する三叉神経による痛みだけでなく、眼、耳、顎関節、頭蓋内の病変などによっても起こります。顔の痛みを生じる疾患には、頭蓋内の腫瘍、症候性三叉神経痛(知覚低下を伴う)、特発性三叉神経痛、非定型顔面痛などがあります。

【対象となる疾患】

  • 特発性三叉神経痛
  • 非定形顔面痛

【西洋医学からみた取穴(鍼灸師向け)】

特発性三叉神経痛
原因が明らかでなく、三叉神経領域に痛みが出現する。
鎮痛を目的に圧痛点を治療点とする。
第1枝(眼窩上孔部、前頭切痕部)
第2枝(眼窩下孔部(四白))
第3枝(オトガイ孔部)


非定形顔面痛
原因が明らかでなく、顔面の片側に三叉神経領域と関係なく広い範囲に痛みが出現する。深在性、持続性、うずくような痛み、顔面紅潮、結膜充血、流涙、鼻水過多などの自律神経症状を伴う。血液循環の改善、自律神経の調整を目的とする。疼痛部位の経穴・反応点、頸部自律神経と関連のある経穴を治療点とする。
四白、攅竹、人迎、水突

【東洋医学からみた解説(鍼灸師向け)】

顔面痛の原因には、
①風寒(実証:温経散寒
②肝火(実証:清瀉肝火
③胃火(実証:清瀉胃火
④陰虚(虚証:益陰清熱
がある。