対象とする症状と疾患

29.肥満

単純性肥満の改善には摂取カロリーの制限と運動による消費カロリーの増加、筋肉量の増加による基礎代謝の増加が必要です。鍼灸は全身の代謝の促進をはかる目的に行います。

【対象となる疾患】

  • 単純性肥満

【西洋医学からみた取穴(鍼灸師向け)】

肥満症には、摂取カロリーと消費カロリーの不均衡による単純性肥満だけでなく、内分泌障害や中枢神経障害によって生じるものがある。鍼灸の適応となるのは単純性肥満である。減食と運動が中心となるが、全身の代謝の促進のために鍼灸を用いる。
天枢、脾兪、腎兪、曲池、足三里

【東洋医学からみた解説(鍼灸師向け)】

多くは虚実挟雑証である。原因は痰湿と気虚があるが、両者は相互に関係する場合が多い。
①痰湿による肥満:脾の運化の失調(実証:清胃瀉火、去痰利湿
曲池、支溝、三陰交、内庭、四満、腹結
②気虚による肥満:脾気虚がベース(虚実挟雑症:健脾調胃、去痰利湿
内関、列缺、豊隆、三陰交、水分、天枢、関元