30.発熱
発熱には様々な原因があり、その原因を明らかにして医療機関による治療を受ける必要があります。東洋医学では、発熱を外感性発熱と内傷性発熱に分類して、それぞれ邪気を取り除いたり、内因性の原因に対応した取穴を行います。
【対象となる疾患】
- かぜ症候群
- 慢性扁桃炎:発熱や咽頭痛などがある急性期には適応しない
【西洋医学からみた取穴(鍼灸師向け)】
かぜ症候群⇒咳嗽の欄を参照
慢性扁桃炎:
全身状態を整え、再感染を予防する。扁桃周辺の循環の改善。
:肩井、腎兪、中府、人迎、合谷
【東洋医学からみた解説(鍼灸師向け)】
東洋医学的解説での発熱には外感性のものと内傷性のものがある。
外感性発熱の原因:
①風寒(実証:解表散寒、宣肺退熱)
②風温(実証:疎風散熱、宣肺去痰)
③湿熱(実証:疎風解表、去湿化濁)
④寒湿(実証:散寒化湿、解表退熱)
⑤暑湿(実証:疎風散邪、清暑化湿)
内傷性発熱の原因:
①陰虚(虚証:滋陰清熱)
:神門、心兪、太谿、腎兪、三陰交
⇒手の少陰経穴の瀉法、足の少陰経穴の補法
②気虚(脾気虚)(虚証:調中益気)
③血虚(虚証:滋養陰血)
④肝火(実証:疎肝清熱)
⑤瘀血(実証:活血化瘀)
:心兪、膈兪、太淵、内関、太衝
⇒手足厥陰経穴、背兪穴にて瀉法を行う