31.のぼせ・冷え
のぼせには原因があって生じる場合とそうでない場合があります。のぼせの原疾患としては、多血症、カルチノイド諸侯群、上大静脈症候群があり、冷えには貧血症、大動脈炎症候群、レイノー病、バージャー病などがあります。原因のはっきりしないものは鍼灸の対象となり、更年期障害や心因性のものがあります。
【対象となる疾患】
- 更年期障害
- 軽症のレイノー病、バージャー病
【西洋医学からみた取穴(鍼灸師向け)】
更年期障害による内分泌系、自律神経系を調整する。
血流の調節(①のぼせ:血流の誘導、②冷え:血流確保)
①のぼせ:身柱、次髎、三陰交
②冷え:足三里、太衝
【東洋医学からみた解説(鍼灸師向け)】
のぼせ:
心腎不交によるのぼせ、冷え(虚実挟雑症):
心腎の交通を図り、陰陽のバランスを回復させる。心・腎の原穴、督脈経、足の少陰経穴
:内関、神門、三陰交、太谿、大椎、腎兪、長強、百会、関元
冷え性:
陽虚、寒湿、瘀血による冷え性(虚実挟雑症):
陽気の回復、寒湿の除去、瘀血の改善のため、腰背部、腹部穴
:至陽、膈兪、腎兪、上髎、次髎、中髎、下髎、壇中、気海、関元、三陰交、陽陵泉