対象とする症状と疾患

32.不眠

不眠には入眠障害、早期覚醒、熟眠障害、まったく眠れないなどがあります。精神疾患を伴う場合もありますが、ほとんどは生活の乱れや心理的ストレス、自律神経の乱れ、加齢などによるものです。時に加齢による不眠を訴える方は多く、鍼灸の対象となります。

【対象となる疾患】

  • 機械性不眠
  • 神経症性不眠

【西洋医学からみた取穴(鍼灸師向け)】

機械性不眠、神経症性不眠
百会、顖会、天柱、風池、完骨、肩井

【東洋医学からみた解説(鍼灸師向け)】

不眠の原因:痰熱、肝火、心脾両虚、心腎不交
①痰熱による不眠(実証:化痰和胃):
胃不和の状態。痰熱が中焦にある。
胃の募穴、足の陽明、足太陰経穴
中脘、豊隆、内関、厲兌、隠白
②肝火による不眠(実証:平肝降火
③心脾両虚による不眠(虚証:補益心脾
④心腎不交による不眠(虚証:滋陰降火):
腎精の不足、心火の亢進
手足の少陰経、手足の厥陰経
大陵、太谿、神門、太衝、三陰交