4.歯痛
虫歯や歯肉炎、歯周病の治療は歯医者さんで行ってください。鍼灸では、三叉神経痛の一部として生じる歯痛に対応します。過労や加齢で体力が弱ったときに、歯の浮いたような感じがすることがあります。そのような症状には効果があります。
【対象となる疾患】
- 三叉神経痛からの歯痛
- 歯肉炎による歯痛
【西洋医学からみた取穴(鍼灸師向け)】
歯肉炎による歯痛:
疼痛の緩和、循環の改善を目的とする。
:大迎、下関、オトガイ孔
【東洋医学からみた解説(鍼灸師向け)】
歯痛は実証では、実火(実証:瀉火止痛)、風火(実証:疎風散熱)、虫歯によるものが多く、虚証では腎陰虚(虚証:滋陰清熱)によるものが多い。
①実火による歯痛:
甘いもの、辛いものの偏食により、胃腸に熱が生じ、熱が盛んとなって火となる。火が手足の陽明経にそって歯肉に上炎する。
胃腸の実火を清熱する。
:下関、頬車、合谷、内庭、上巨虚
②腎陰虚による歯痛:
腎は骨を主り、歯は骨余である。腎精が不足していると虚火が生じ、この虚火が上炎すると歯痛がおこる。腎陰が不足すると、歯髄が空虚となり、栄養不良から歯の動揺がおこる。このタイプの歯痛は昼間は軽く、夜間に増強しやすい。
:下関、頬車、合谷、太谿、行間